病棟看護師に向いている人、手術室看護師に向いている人のポイントを押さえて徹底解説

新人看護師
新人看護師

手術室にも興味があるんですが、病棟と手術室ってどっちが大変ですか?

せっかちなーすまま
せっかちなーすまま

どっちも大変な所もあるし、いい所もあるよ

病棟、手術室のメリット、デメリットを紹介するから参考にしてみて

こんにちわ、せっかちなーすままです。

2児の母をしながら病棟で8年→手術室で2年経験している看護師です。

病棟と手術室どちらがいいかよく聞かれますが、優劣をつけるのは難しく自分に合った方を選ぶことをおすすめしています。

実際に病棟と手術室を経験して感じたメリット、デメリットを参考に自分はどう学びたいのか考えてみて下さい。

病棟のメリット・デメリット

メリット デメリット
看護師の基本を学ぶことができる 1日の業務量に波がある
患者と深く関わることができる  残業が多い
出勤と休日がしっかり決まっている 1日人で複数の患者を受け持つ
分からな事をその場で
周りに相談できる
多重課題

手術室のメリット・デメリット

メリット デメリット
専門性が学べる 時間通りに業務が進む
治療の過程が見れる オペに入ると全て自己責任
残業が少ない 看護技術の基礎を学ぶ機会が少ない
挿管介助が上手くなる オンコール番だと休日でも時間や場所に縛られる
  オンコール番が始まるまでは給料が2~3割ほど減る
  一般病棟への移動や転職が難しい

共通して言える事

・看護師として自立するまで大体1年ほどかかる

・常に学習が必要

病棟にも手術室にもそれぞれメリット、デメリットはありますが共通して言えることは1人前になるまでどちらも1年間はかかります。

病棟メリット

点滴

看護師の基礎をしっかり学ぶことができる 


病棟の新人は入職してからすぐに新人指導の先輩がついて1年かけて看護技術を学びます。                                          

看護技術とは具体的にこんな感じです

  • 採血
  • プライミング
  • サーフロ
  • 膀胱留置カテーテル  などなど

これはほんの一部で実際はチェックリストを元に何十項目の技術や知識を学んでいきます。

技術の指導を受け、合格できると実際に患者さんの元にいき、実施します。
これらの技術は病棟でほとんど毎日行うため、新人は日々看護技術が向上していきます

患者さんと深い関わりが出来る


病棟では入院から退院まで患者と関わります
入院してきた患者の問題を抽出し、看護過程に則って看護計画を立て問題を解決いていきます。
患者さんをゴールに導くために患者さんの背景や、必要なケアを考える為患者さんと深く関わることができます。

せっかちなーすまま
せっかちなーすまま

病棟で働いていた時は沢山思い入れがある患者さんいっぱいいたよ

新人看護師
新人看護師

どんなことがあったんですか?

せっかちなーすまま
せっかちなーすまま

患者さんやその家族と仲良くなったり、サーフロが入らなくて凄く怒られたこともあったよ

色んな経験と患者さんとの関わりで今の看護観が出来たよ

患者さんの回復の過程が見られる

治療やリハビリによって、入院した時は寝たきりだった人が人が歩けるようになったり、ベットで排泄していた人が1人でトイレで排泄できるようになっていくなど患者さんが回復していく様子が良く分かります。

患者さんが元気いなっていく様子は看護師のやりがいを感じる瞬間でもあります。

夜勤や日勤、休みがしっかりがまっているから夜や休日に縛られることがない


勤務は勤務表通りの出勤になっているため休日に急に呼ばれたり、出勤日が急に休みになることはありません。
オンとオフがしっかりしているため休日をゆっくり過ごすことができます。

病棟デメリット

うつむく人

1日の業務量に波がある

下記は私が経験した1日の業務量を簡単に比較した内容になっています。

ある平日の1人の看護師の日勤業務
受け持ち10人、入院1件、検査出し2件 退院5件

翌日平日の1人の看護師の日勤業務日勤業務
受け持ち5人、入院0件、検査出し1件 退院0件

同じ平日でも毎日に入れ替わりに入院、退院があり、新規入院が入れば検査も増えます。

そのためその日その日によって受け持ちの人数や受ける入院、検査の数が変わるため仕事量が変わります。
また、急変や緊急で検査が入ったり午後に緊急入院が入ったりすると残っている仕事が後ろにずれるため業務時間内に仕事が終わらず残業になりやすいです

1人で複数の患者を受け持つ


新人の最初の頃は先輩と一緒に受け持ちますが、自立すると1人で複数人を受け持つようになります。
私が病棟で働いていたときは最大12人見ていました。
看護助手さんにもお手伝いしてもらってはいましたが、基本検査だしや処置、バイタルなど全て1人で行うため仕事を抱えすぎて回らなくなることもあります。

患者さんの情報量が多くまとまるのが大変

モニターの写真

沢山患者を受け持つと、沢山の情報を1人で管理しなければいけません。

情報とは患者さんの疾患、状態、検査、安静度、その日の予定、検査 など 

それらの情報を踏まえて、現在の状態がバイタルや全身状態観察をし異常がないかアセスメントしたり、時間になったら検査に出したりします。


また異常があった場合リーダーに報告し、経過観察していいものか、それともすぐにDrに報告しなければならないのかを自分で判断しなければなりません


そういった沢山の情報を管理し適切な判断をすることは難しく、責任も大きいです。

多重課題、優先順位をつけるのが大変


その日のスケジュールが完全に決まっているならば朝行動予定を立て、その予定通り動けばいいのですが急性期病院はなかなかそうはいきません。
急性期病院では患者さんの急変や緊急入院など緊急な業務が高確率で起きるからです。
また、予定検査であっても出棟時間が決まっておらず急に呼ばれたりするとせっかく立てた行動計画も立て直す必要があります。
何一番優先で先に行わなければならないのか、時間配分はどれくらいかかるのかなどを瞬時判断しなければなりません。

手術室室のメリット

看護師が並んでいる写真

専門性が学べる


手術室の主な仕事は器械だしと外回りです。
病棟とは違い、疾患毎に使う器械や内容は違いますやることは器械を出すっという意味ではやることは毎回同じです。
ですが器械出しや外回りしかない分、専門性が求められます。

器械出しと言っても器械を出していればいいだけではなく、何十、何百ある器械の名前や用途を覚え、先生の癖や好みの器具をなども覚えます。
そして使う機会を言われてから出すのではなく、手術の経過をみて次何の機械を使いそうだなっと自分でも予想して準備します。


外回りはバイタル、体温、排尿、麻酔器などを観察して患者さんの全身管理をします。
患者さんに何か異常が起きたとき外回りは、どこがどう異常なのかを察知し対応しなければなりません。


器械出しも外回りも如何に先生がより手術をやりやすく、患者さんが安全に手術を終えられるかが求められます。

このように1つの技術を極めていくため専門性が学べられます

治療している過程がみられる

保育器の写真


オペ室では患者さんが治療していく過程がしっかり見れます、
例えば大腸癌では、お腹を開いて腫瘍部分を露出します。

CTやMRIでしか見れなかった腫瘍治療する過程はオペ看しか経験できません。
また、オペ室では帝王切開にも立ち合うこともあります。
難産な出産に立ち会うには緊張さはとてもありますが、赤ちゃんが無事に生まれてきてくれたときは自分もこの赤ちゃんを救う手助けができる貴重な経験ができます。

自分が患者さんの治療に加わったと思えるのは手術室が一番実感できます

時間に急かされることなく仕事が出来る


手術は数日前から予約が入り、その日の朝には1日のスケジュールが決まります。
そのため担当が早めに決まっていれば事前に情報を集めて準備をすることができます。
もちろん病院いよってはその日に緊急の手術が飛び込んでくることもあります。
しかし多くの場合緊急はその時間空いている看護師が担当することが多いため予定が崩れる事はほとんどありません。
そのため自分の受け持つ仕事が急に変更することはほとんどなく、予定通り進めることができます。

時間通りに帰れることが多い


オペ室は時間通りに仕事が終わることが多いため時短やパートで働いている看護師さんが多くいます。
先ほども言ったように手術は数日前から組まれるため予定が立てやすく、時間の配分をしやすいです。
そのため16時に上がる看護師には午前中の手術や短い手術を付けるなど調節がしやすい為時間通りに帰れることが多いです。

先生との距離が近い


オペ室は医師とのコミュニケーションが大切です。
先生との信頼関係を築くことでスムーズに仕事が進むことがあるからです。
また新しい術式や機械を導入する際も先生と打ち合わせが必須です。

医師と話すのは怖いとか緊張するっと思うかもしれませんが、意外とそんなことはなくフレンドリーに接してくれる医師が多くいます。

新人看護師
新人看護師

先生と話すのって緊張しませんか?

せっかちなーすまま
せっかちなーすまま

オペ室に来て思ったのは病棟で見せる顔とオペ室で見せる顔は違うなって思った

新人看護師
新人看護師

どういう風に違うんですか?

せっかちなーすまま
せっかちなーすまま

病棟ではパソコンに向かって声かけてくるなオーラが出てたけど、手術室だと患者さんが来る隙間時間とかに趣味の話とか家族の話とかしてくれて印象が凄く変わった先生もいたよ

先生との距離が近くなると話しやすくなり、仕事も楽しくスムーズに運びやすくなります。

手術室デメリット

疲れた看護師

看護技術を学ぶ機会が少ない


病棟に比べ看護技術を学ぶ機会がとても少ないです。

病棟で習得した技術でオペ室で生きた技術

  • サーフロ挿入
  • 膀胱留置カテーテル挿入
  • Aライン挿入介助
  • 挿管介助
  • 圧ライン作成  など

しかしこれらの技術も手術毎に毎回行うわけではありません。
病棟では看護師が行うサーフロや膀胱留置カテーテルなどは医師自身が行うことも多いです。
そのため病棟看護師に比べたら看護技術の習得は難しくなります。

オンコールが始まるまでは病棟より給料が低くなりやすい

新人の頃や移動してきたばかりの人はすぐにオンコールが始まらないため病棟給料に比べ1~2割ほど低くなります。
病棟で給料が高いのは夜勤手当が付くため、その分数万円上乗せされます。
しかし手術室に移動してきたばかりの頃はオンコールはなく、毎日日勤で器械出しや外回りを学んでいきます。

実際私も病棟から手術室に移動したときは手取りで3万円近くは減りました。
病棟では月2回程度の夜勤しかやってなくてそれくらい減るから、もっと夜勤に入ってた人はもっと減る可能性も
そして病院によっては危険手当も付かないところもあります

オンコールが始まるのは一通りの手術に付ける様になってからで、大体半年から1年ほどかかります。
そしてオンコールはいつ呼ばれるか分からない為、オンコールの日は病院周辺で過ごさなければならないため行動範囲が制限されます。
一般病棟の新人は3か月から半年以内には夜勤が始まるため、新人間でも給料に差が生まれます。

患者さんとの関わる機会が少ない


オペ看が患者さんと関わるのは術前訪問、手術当日、術後訪問の3回だけです。
術前訪問も既往や病歴、アレルギーの確認などで30分以内で終了してしまいます。
手術当日は入室後に挨拶をしたらすぐに麻酔の準備にかかり、患者さんは眠ってしまいます。
手術後は意識がもうろうとしている中で帰るため、コミュニケーションを図るのは難しいです。
そのため患者が病棟でどんな風に過ごしているのか、術後どれくらい回復してから帰ったのかなど深く関わるこが難しいです。

自分の準備不足で手術に支障が出ることも

手術室の写真


自分の担当の手術は必要な器械や物品は全て自分で用意します。
術式や先生の癖などを考え、必ず使うもの、指示が出てから使うもの、使うかもしれないものをリストアップして準備します。
準備するまでは他の先輩に相談して一緒に考えてもらうことは出来ますが、一旦手術が始まってしまうと自分では外のものを取りに行くことができません。
足りないものは外回りさんに取りに行ってもらうこともできますが、物品を取に行っている間は手術が止まってしまい先生たちにも迷惑をかけてしまいます。

一般病棟への移動や転職が難しい

手術室と病棟では1日の流れや必要な技術が大きく異なるため、手術室で長く働いた看護師が一般病棟へ異動・転職するのは難しいことが多いです。
理由を分かりやすくまとめると、次のようになります。

  • 手術室では、病棟で必要な看護技術(採血や点滴、食事・清潔ケア、日常的な患者対応など)をほとんど経験できません。
  • 病棟独自の業務の流れや多重業務、患者や家族とのコミュニケーションも手術室とは全く違うため、異動後は戸惑いやすいです。
  • 病棟側は「3年目の看護師が来た」とみなすため、新人のような丁寧な指導や技術練習、十分なオリエンテーションが用意されないことが多いです。
  • その結果、基礎的な病棟看護技術や業務の流れが分からず、周囲についていけなくなりやすいです

このように、手術室経験者は病棟で必要なスキルや知識を習得する機会が少なく、異動後に十分なサポートも受けにくいため、病棟への移動が難しくなっています。

まとめ


病棟と手術室では同じ看護師の仕事でも仕事内容は全く違い、それぞれにメリット、デメリットがあります。
病棟は他の先輩や同期とも一緒に看護技術をしっかり学びながら患者さんとも深く関わっていけるメリットがあります。
しかし広く学ぶ分、学ぶ内容が多かったり仕事が多かったりするため業務量が多く残業が増えるというデメリットがあります。

一方オペ室は器械出しと外回りと2つしかありません。
先生が手術を安全にやりやすいように出来る様にするため、機械の出し方や先生の好みなどを把握して一つの技術を極めていきます。

手術もスケジュール通りに進むため残業や多重課題に追われると言うことが少ないというメリットがあります。
しかし手術室では看護技術の習得が難しいことで転職先の幅が狭くなってしまうというデメリットもあります。

これらのメリット、デメリットを参考することで自分はどう学びたいのかを考えてみて下さい

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