こんにちわ。せっかちなーすままです。
看護師歴11年目、病棟では8年、オペ室では3年働いている2児の母です。
病棟で勤務していた頃は新人担当をしてきた私が辛い新人時代の乗り越え方をお伝えしたいと思います。

私看護師向いてないのかな…。

急にどうしたの?まだ入ったばっかりだよ。

入職して結構経つのに全然覚えられないし、楽しいって思えなくて
学生の頃はもっと出来てたのになって考えちゃうんです。

そうだよね、学生の頃とは全然違うから辛くなっちゃうよね。
辛いこの時期の乗り越え方をアドバイスするから参考にしてみて!
新人看護師の1年間
看護師は1年かけて一通りの仕事を思えます。業務内容は病院によって多少違いますが、だいたい総合病院の一般病棟ではこんなこんな感じで仕事を覚えていきます。
1年間のスケジュール
4月 |
新人研修(1週間~1か月) 病院によって新人研修の期間は変わります |
4月~6月 | 日勤業務の流れ、技術練習 遅くても6月末頃には患者さんに採血等は始まる |
7月~9月 |
業務、患者さんに1人立ち 部屋持ちの数が増える 夜勤が始まる |
10~12月 | 夜勤の独り立ち プライマリーが始まる |
1月~3月 | 患者さんの退院先、地域連携、多職種との関わりを考える |
正直1年間を通して辛くない時期はほとんどないと思われます。
1つ山を越えるとまた新たな山が出てきて1年間その繰り返しです。
そんな1年間を乗り越えるために新人に教えていることは5つ!
・挨拶はしっかり
・メモは沢山取る
・分からんことはすぐに聞く
・とにかく頑張る!は危険、休息はしっかり
・同期を大切にする
1年間はスタッフの一員になるため基礎をたたき込みます。
そのためもしかしたら看護師に人生で一番つらい時期かもしれません。だから覚える事が多いのは当たり前なんです。
この辛い時期を過ごすのにどうしてこの5つが大切なのか、解説していきたいと思います。
最初の辛い時期 (4月から6月頃)

最初にぶつかる壁は自分が思っていたのと違うっというギャップ。
看護師と学生ではかかる責任や覚える業務の多さは全く違い、戸惑う場面が多々あります。
その理由を詳しく解説していきたいと思います。
理想と現実のギャップ
入職して最初にぶつかる壁は自分が描いていた看護師像と現実が全く違うということ。
学生の頃は患者さんのことだけを考え、毎日どんなケアをするかどこを観察すればいいか、アセスメントする内容も情報もその患者さんだけを診ていればいいだけでした。
しかし看護師として病棟勤務が始まると、患者さんの情報よりも電子カルテやスタッフ、病棟の流れなど業務内容を覚える事が優先になります。
しかもちゃんと覚えきれていない状態で数日後には患者さんの受け持ちも加わってきます。
病棟の流れに付いていくのにやっとな新人では患者さんのケアを考えたり、会話をしたりする余裕はほとんどなく流れ作業になりがちです。
そんな現実に、なりたい自分の看護師像からはかけ離れ思っていたのと違うっとなり辛く感じやすくなってしまいます。
電子カルテ難しさ
次に躓くのが電子カルテ。
学生の頃は基本記録は紙に書いてましたが、看護師は全て電子カルテになります。
(中にはまだ紙カルテを使っているところもありますがほとんどが電子カルテに移行しています)
カルテの使い方は入職してすぐにオリエンテーションなどで先輩たちが教えてくれますが、ここで大変なのは基本先輩たちは1回しか教えてくれないっということ。
しかも病棟オリエンテーションで一斉に基本的な使い方を習います。
オリエンテーションが終わった後先輩たちは”教えたはず”っという認識でいるため分からないときは聞かないと教えてくれません。
そのため使い方が分からないときに先輩や周りに聞く勇気がとても必要です。
物の場所、書類の場所を覚える

ナースステーションの中には薬剤や物品、書類がたくさんあります。学生の頃はこれらの物品はほとんど使うことがありませんが、看護師になると毎日の様に使います。
物品には似たような名前の薬剤や器具がたくさんあります。
例):点滴セットなど
点滴のセットでも薬剤用と輸血用、輸血用でも赤血球用と血小板用など細かく分かれています。
これらは外観が似ているためとても間違いやすい。
まだ配属されて間もない新人に取ってこれらの違いや使い方など分からないため目的も分からずただ覚えるのには一苦労します。
また、似たような用途の物品は近くに置いてあることが多いため、場所をしっかり覚えないと事故に繋がることがあります。
乗り越え方(4月から6月)
とにかく挨拶だけはしっかり
覚えるのが苦手な人でも挨拶だけは誰でも出来る事。
仕事が出来なくても挨拶をするだけで先輩方はあなたを見てくれます。
正直、入ってすぐの新人に先輩たちは何かしてくれるという期待はしていません。
今出来ることをしっかりこなすことの方が大事です。
覚えが早くても挨拶しない後輩よりも、覚えがゆっくりでもしっかり挨拶をしてくれる後輩の方が周りからの印象が良くなるため働きやすくなる。
何でもメモをする、分からない単語や薬剤はメモ
メモはとても大事です。余計なことでもいいからメモは取るようにっと私はよく新人に伝えていました。
人間の記憶は、時間の経過とともに急速に忘れていきます。覚えた直後は約50%を忘れ、24時間後には約70%を忘れてしまいます。
最初のうちは教えてもらったことを何でもかんでもメモをして、自分の頭の中を整理する癖をつけましょう。
また、メモを取ることで周りへ学ぶ姿勢を示します。
指導してくれる先輩も自分の仕事時間を割いて指導してくれます。
平等に接してくれますけど、やる気のある子とない子ではある子を贔屓してしまうのは当然です。
やる気はありますっと言ってもメモも取らずに立っているだけでは、やる気ある姿勢には見えづらいです。
必要ないかもっと思った内容でも、後で振り返ったときメモっててよかったっと思うことがあることもあります。そのためメモは沢山取りましょう。

これは私が新人の頃使っていたメモ帳です。
メモをして何回も見返した為かなりボロボロになっています。
今はほとんど見返すことはありませんが辛い日々を共にしたメモ帳は絶対に捨てられません。
ペンは自分の好きなキャラクターや色を使ってテンションを上げていました。
今でもお気に入りのペンを使っています。
分からないときはすぐに聞く
新人は分からなくて当たり前の期間です。
そのため分からないことを聞いて怒る先輩はほとんどいません。(だた毎回同じ質問をしたり、全く学習しないで聞くのはダメですよ)
それが2年目、3年目になってから聞くと「今までどうやってたの?」とか「今更聞くの?」など辛い思いをしてしまうことがあります。
分からないときになんでも聞けるのは新人の特権です。その特権をフルに活用しましょう。
慣れてきたころの辛い時期 (7月から3月頃)
ある程度カルテや病棟に慣れてくると先輩について部屋持ちはが始めってきます。
最初は先輩に言われて回りますが、そのうち1人で回る様になります。
その時に来る辛さを解説します。
優先順位を付ける練習
独り立ちしてくると、患者さんの管理を1人で行わなくてはなりません。
例):日常業務の流れ
必ず行う業務がにバイタルサイン、観察、清潔ケアがあります。
今日のスケジュールは通常業務に時間が決まっていないオペ出しと2件と検査だしが3件。
行うを行っているうちに緊急入院が追加されました。
上記の例の様に多重課題になってくるとなにから始めて仕事をしていけばいいのか分からなくなります。
この多重課題を安全に事故なくこなすためには優先順位の付け方が大切になってきます
自分が出来そうな業務から始めてしまうと、急に時間がオペの時間が決まっても準備ができておらずオペ出しが出来なかったり、バイタルが終わらなかったりして先輩に怒られてしまいがちです。
優先順位をつけるポイント
仕事を始める前に今日の行動計画をしっかり立て、自分の技術力、把握できる情報量をしっかり押さえてから動くことが大事です。
最初はうまく出来ずに怒られてしまったり、申し送りが間に合わなかったりすることがほとんどです。
優先順位を上手に付けられる様になるには何度も練習して慣れることが必要です。
知識が追い付かない、同期と差が出る
病棟に慣れてくると受け持ちの患者さんの数はどんどん増えてきます。
混合病棟になると患者さんによって罹患している疾患が違う為、学生の頃に勉強してきた知識ではとても足りません。
また、知らない単語や数値が多く最初のうちは医師のカルテがなんて書いてあるかすら分からないこともあります。
そしてこの時期になってくると同期との差が出始めます。
最初は同じスタートラインでも飲み込みの良さや知識の差がでてくるため、同期が先に部屋持ちが始まったり、夜勤が始まったりしてその差が出始めます
その差が目に見えてくると自信や心の余裕がなくなってくると精神的にかなり参ってしまいます。

私も同期と差がついたときはかなり辛かったなぁ。
同期の中で私が1番覚えるの遅かったから、夜勤も重症部屋の担当も1番最後だったよ。

そうなんですか?
今ではとてもそうは見えないです。

辛くて出来ない自分が悔しかったけど、周りの人に相談したり自分の出来ることをしっかりやり続けたらちゃんとできる様になったよ。
乗り越え方 (7月から3月頃)
とにかく頑張るは危険
出来ないから頑張らなきゃっという考えは半分正解で、半分は間違いです。
辛い状況なのに十分な休息も取らずにひたすら頑張り続けてしまうとうつ病になってしまうこともあります。
「もしかしたらうつ病かも」
名古屋市立大学の研究によると経験年数が浅いほど、うつ病傾向が高まる傾向にあり、1年以上3年未満の看護師では69.3%と最も高く、1年未満の新人看護師では62.5%がうつ病傾向にあると言われています。
慣れない環境や多重課題、人間関係等が要因とされています。
それだけ新人は厳しく大変な環境にいると言うことです!決してうつ病になってしまうことは珍しくありません。
うつ病は早期発見、早期治療が非常に重要で、適切な治療を受ければ完全治癒の可能性が高い疾患です。軽症のうつ病であれば、治療開始後3ヶ月で50%、6ヶ月で80%が完全治癒すると言われています。
辛くなったら頑張りすぎる前に周りの人に相談しましょう。
同期の存在
まずうつ病にならないためにも、周りとのコミュニケーションをしっかり作っておくことです。私が新人にまず伝えるのが仕事を覚える事よりも同期の大切さです。
出来ればお互い仕事の愚痴を言い合えるくらいの中になってほしいと言っています。
1人では潰れてしまうことでも、同期がいればお互い励まし合ったり、愚痴をこぼしたしたり自分の逃げる場所になります。
もちろん病院ではカウンセリングや面談など相談できる場所は用意していると思います。
しかし何人も新人を見てきた私ですが、新人が自分から病院のカウンセリングを受けたり、積極的に師長さんに相談している人は見たことがありません。
大体は同期から先輩、師長さんへっと近くにいる人から相談していきます。
そのため辛い時期を乗り越えるためにも同期は絶対大切にしなくてはいけないと私は思っています。
辛い時期はいつまで続く?

正直辛い時期は1年間は続くと思っています。
最初にい言ったように一つ山を超えるとすぐに新たな山が出てきます。それくらい看護師の仕事は多いからです。
看護師として一人前になるのに3年はかかると言われています。
辛くなったらどうしたらいい?
まずは同期や上司に相談です。
必ず新人看護師にはプリセプターや新人指導の担当がいるため何が一番つらいのかを良く相談することが大切です。
相談してくれれば業務内容の変更や病棟の移動などなにかしら提案はしてくれると思います。
折角頑張ってなった看護師なのですからすぐにやめては勿体ない。
業務内容を変えてもらったり、人間関係で悩んでいるのなら病棟を変えてもらったりいくらでも方法はあります。
私としては病棟は変えてもいいのでその病院に3年は頑張ってもらいたいと新人に伝えています。
相談しても辛いときは?
どんなに対策を打っても辛い時はやめるのも1つの方法です。
無理をしすぎてうつ病になっても病院は病欠をくれるだけで責任は取ってくれません。
病欠で休んでいても仕事が頭から離れずゆっくり休むことは難しいと思います。
病院だけが職場ではありません。
仕事よりも自分を大切にすることが一番大事!
まとめ
看護師の1年間は辛い時期が続くことが多いと言えます。
その辛い時期をどう乗り越えるかが1人前の看護師として成長出来る鍵と言えます。
周りとのコミュニケーションや自分に合った休息の方法を取り入れるなど工夫することが大切だと言えます。
とはいえ、病気になっても続けるのは違います。
その病棟、病院だけが看護師として働ける場所ではありません。
自分に合った場所を見つけて看護師として働けるのは一番のベストです。
無理せず頑張っていきましょ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
せっかちなーすままからでした。